12月19日(土)、山形大学混声合唱団の第65回定期演奏会に参加してきました。
山形大学混声合唱団、略して“山大混(やまだいこん)”さんには以前取材を行い、合唱の魅力について熱く語っていただきました。
お話を聞いてからは、
「面白そうだな~。ちゃんと演奏聴いてみたいな~。」
と思いながらも機会がなくて、本物の合唱を聴けず…。
それから数か月、なんと山大混さんが定期演奏会を開催するというお話が!
瞬間的に、「おお!行ってみたい!!」と思いながらも、ノミの心臓を持つ自分としては「演奏会に行ったことない俺なんかが行ったら、何か粗相を起こすんじゃ…」とネガティブ思考に。
「ほんと意気地なしだな、俺…。」
自分の不甲斐なさに落ち込んでしまったのですが、考えてみると自分以外にも演奏会にハードルを感じてる人は少なくないのではないでしょうか?
“参加する上でのマナーがあるんじゃないか?”とか、“あんまり知らない自分なんかが参加して良いもんなんか?”とか。
今回の記事は、そんな不安を払拭するという意味合いも含め、演奏会初心者の私がどのように楽しんできたのかについてまとめました。
会場まで
会場は、遊学館。大学近くで、歩いて約15分程度のところにあります。
演奏会が行われる2Fのホールに向かうと、受付が。
フォーマルな姿をする方々がちらほら見られ、さらに緊張が…。
受付では、パンフレットを頂きました。
いざ会場に入ってみると、多くの方が静かに席に着かれており、また緊張…。
※写真は演奏会後の会場の写真です。
ビビりの自分は、一番後ろの席に座ることにしました。
開演時間まで時間があったため、渡されたパンフレットを拝見。
このパンフレットがとても面白くて、演奏会のプログラムはもちろんのこと、団員の方々の個性溢れるプロフィールが掲載されていました。ハイセンスなプロフィールを読んでいたら、なんだか、団員の方々に対して勝手に親しみを抱いていました。ちょっとほっこり。
そうこうしているうちに開演の時間に。
演奏会
※演奏への配慮のため、撮影はいたしませんでした。
短めのナレーションの後に幕が上がり、合唱が始まりました。
もう始まるのか!と思ってしまうほど、長い挨拶など抜きに、スッーと合唱が始まりました。すると、
「あっ、綺麗…。しかも、なんか、ぞわぞわする!」
耳から入ってくる音が綺麗で心地良いのに、どこか体は落ち着かない、そんな状態に。緊張、してるからなのかな?
ステージ上で歌う団員の方々は、冷静でありながら身を乗り出すかのように声を出す姿が印象的で、視覚、聴覚から、慎重さと大胆さがひしひしと伝わってきます。
3曲が終わったあと、代表の方から挨拶があり、次のステージへと移っていきました。
次はOB・OGも一緒に歌うというステージ。ステージに上がっている人数がさっきと比べて多い!数えてみると、31名。これはすごいことになりそうだと期待を胸に聞いてみると、
「圧がすごい…」
音というか、見えない空気の壁、圧の凄みが増していて、自分は前のステージでうっとりして油断していたものだから、ハッ…(゚ロ゚;)となりましたね。
最初の曲“いざたて戦人よ”なんかは、ほとんどの人が1度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。明るく軽快な曲で、パァーッっと飛んでくる1音1音がまるで心臓を弾いてくるかのように感じられました。
最後の曲は山形県民謡“最上川舟歌”。これは、ほんとかっこいい。
軽快で壮大なこの曲に多くの人が魅了されたようで、体を揺らしてリズムをとりながら聴いている方々がちらほら見受けられました。ほんと、かっこよかったです。
この後、休憩がありました。開演前と比べて、観客同士の会話が多くなり、会場に感じていた緊張感はなくなっていました。ところどころで「よかったわね~」という声がちらほら聞こえ、みなさん楽しまれている様子でした。
定刻になると幕が上がり、露わになるステージ上の団員を見ると……なんということでしょう、女装をした男性がいるではありませんか!
なんだ、なんだ!あの学生、どうしちゃったの!?
と思っているのもつかの間、劇が始まりました。内容としては、卒業間近の12月、クラス対抗の合唱大会を控えた、とある中学校の3年2組を舞台に、合唱への温度差からバラバラになったクラスがどのように卒業を迎えるかというものでした。
劇の途中で合唱がはいってくるのですが、そこで歌われる曲がとても懐かしい。小・中学校で誰もが通る曲ばかりなので、昔耳にしたものと比較しながら聞いていたのですが、驚きの連続でした。
「この曲ってこんなにやさしかったんだ。この曲ってこんなになめらかだったんだ!」
昔耳にして残っているものは、小さいころ、同じ学年の人達とただ大きな声を音程に合わせて歌った粗々しい音だったのですが、歌と向き合っている人たちにかかれば、こんなにも違う曲になるのかと。驚きでした。
実は、合唱だけでなく、個人的に劇も印象的でした。
流れとしては、クラスがバラバラになりながらも昔を思い出しながら、また1つにまとまっていくというものだったのですが、こういうことが合唱団の方々にもあったのかな、とか勝手に妄想していたら泣けてきちゃって、気付いたら本当に目から汗が出ていました。勝手な妄想すいません。
また、女装した団員がセリフを言ったり、行動したりする度に客席からは笑いがおこり、会場の雰囲気がとても暖かくなっていました。
最後のステージはびっくりするほど、心地良すぎて、あっという間に終わってしまいました。
決して、曲が穏やかすぎたとか、ステージの時間が短かったというわけではありません。
ただ、聴いているのが心地よくて、心地よさに浸っていたら、いつの間にか終わっていた。そんな感じでした。なんとも、不思議な最後でした。
最後のステージはyoutubeで公開されていますので、ぜひご覧ください。
演奏会を終えて
演奏会が終わってからは、「終わってしまったのか」という放心状態に。だんだんと人がホールを出ていく中、感傷的になっていた自分は人ごみを嫌って、一番最後くらいにホールを出ました。
すると、多くの方々が受付付近で談笑をしていました。さっきまでステージで歌っていた団員の方々の姿も。聞くところによると、合唱では大抵、帰りにお客さんをお見送りするらしいです。
自分は人目を避けるようにしながら、団長さんに挨拶し、そそくさと会場を後にしました。
ということで、生まれて初めて合唱の演奏会に参加してみました。
感想としては………合唱、かなり心揺さぶられます。
歌がビリビリと、時にはサラサラと体に伝わってきて、普段味わいにくい感覚が出てきて、とっても心地良いです。自分なんか、人に会いたくないと思うくらい感傷的になっていましたし…。いやあ、凄かった。
しかも、演奏会に感じていたハードルは、やはり自分が勝手に作りあげていたものでしたね。何も心配することはありませんでした。参加する前は大変ビビっていましたが、ホント行って良かったです。
この記事を読んで少しでも合唱に興味を持たれた方、今後も活動される山大混さんの動きをチェックしてみてはいかがでしょうか!?心揺さぶる音楽が聴けるチャンスがあるかもしれません。
<合唱団の活動情報はこちら!>
【HP】 http://yamadaikon332.web.fc2.com/index.html
【ツイッタ―】 https://twitter.com/yamadai_chorus
今回、取材に応じて下さった山形大学混声合唱団の方々ありがとうございました。
また、素敵な演奏を聴かせていただきありがとうございました。
以上、極度のビビりによる山形大学混声合唱団、第65回定期演奏会のレポートをお届けしました!
2023年5月11日
2023年4月24日