11月4日に学長特別講演会シリーズ第二回「地方創生~いつの時代も日本を変えてきたのは「地方」です~」が開催されました。
今回は「地方創生」をテーマに設定し、
農林水産省の西経子氏を講師として迎えました。
山大生や、学外の方々、山形市外からも多くの方が出席。
もちろんYUM!メンバーも出席!
今回はこの講演会の様子を徹底レポートします!
現在「地方創生」という言葉が日本の重要なテーマとなっています。
では、何故今「地方創生」が叫ばれているのでしょうか?
皆さん知っての通り、日本国内は人口減少が危惧されています。
少子化の影響ですね…。
実は、合計特殊出生率が都市より地方の方が高いのです!
都市は労働時間が長く子育てに向かない環境であることが影響していると考えられます。
そこで日本の人口減少に歯止めをかけるには、
合計特殊出生率が高い地方への人口増加が注目されているというわけです。
しかし、どうしても都市に人口が集中してしまいがちですよね。
都市ではなかなか自給自足の生活が送れません。
一方、地方は豊富な資源があるため、自活することが出来ます。
地方への人口流入のためには、地域資源を活用し、地域経済を活性化することが必要です。
つまり「今、地域経済を元気にしないと、日本の人口減少を食い止められない!」というわけです。
そのために地方の資源を発見し、
如何に発信するかを考える必要性が出てきます。
そこで農林水産省が行っている事業が、
「ディスカバー農山漁村の宝」というものです。
「ディスカバー農村漁村の宝」とは…?
「強い農林水産業」、「美しく活力ある農山漁村」の実現のため、
農山漁村の有するポテンシャルを引き出すことにより、
地域の活性化、所得向上に取り組んでいる優良事例を選択し、
全国に発信するというもの。
合計683件の応募の中から今年は27地区が選定されました。
残念ながら山形県内では選定されず…。
ちなみに山形県のお隣宮城県仙台市では「ReRoots」という、
東北大学の学生の取り組みが選定されました。
これは東日本大震災の復興、そして地域おこしを支援する取り組みです。
この団体は次のような活動を行いました。
●地域コミュニティの再生の支援など
(市民農園やアンテナショップの開設、ワークショップへの参加、地域美化活動を通じて)
●移動販売で被災農家の野菜販売を実施。商品開発も行う。
●農村計画ツアー、農業体験・食育ツアーを実施。
この結果として、次のような成果が挙げられたのだとか!
●地元コミュニティ再生への地元住民の立ち上がりを促進。
●大学生が主体となることで若者の農業への関心を引き出す。
●地元の農家活動に刺激を与える。
これはほんの一例でまだまだ他にたくさんの事例があります。
このように地域経済を活発にする活動を国が推進しているのです!
西経子氏 土井正己 山形大学特任教授 山形大学特任教授の土井教授を司会に、 西氏と小山学長の対談、 学生からの質問コーナーも設けられました。 学生も積極的に講演会に参加していました。 「西さんが大学や学生に期待していることはありますか?」 「地域創生の目指すところは何なのか。どうしたら地域の活力を生み出すことが出来るのか。」(人文学部4年) 山形県内の地域おこしはまだまだ「点」の活動でしかないと思うが、これについてはどう考えるか。(理学部3年) 「全ての出発点は『点』から始まるものであると思っています。そこを大事にしていきたいものですね。」 このほかにもたくさんの質問が時間いっぱい寄せられました。 熱い議論を交わし、講演会は幕を閉じました。 講演後、西氏・土井教授・小山学長にお話を伺いました。 ――― 自身が考える「山形の良さ」を教えてください。 ●西氏 山形は本当に資源が溢れているところ。 景観も美しい。食べ物がとっても美味しい。 自然に溢れている…など、本当に観光地に向いている土地。 それから全市町村に温泉があるのは素晴らしいですよね! 私は鮭川村の温泉がお気に入りです。秘湯だと思っています(笑) ●土井教授 人!人の良さです!本当に心が優しい人ばかり。私は山形の県民性が本当に好きです。そして熱い心と伝統を持っている。 今後はこの熱い心で世界に山形の伝統を伝えていきたい。 世界は共通のHeartで繋がっています。 ●小山学長 山形は四方八方2000mの壁(山)の囲まれていますよね。 この中でまとまっていて、おそらく自活できる地域である。 これは紛れもなく、山形の強みだと思う。 それから、私は何歳になっても、「雪」って素敵だと思います(笑)私は関西出身ですが、雪が降る山形は本当に好きです。 ――― 山大生や山形の若者にメッセージをどうぞ! ●西氏 山形の大学で学んでいることは本当に貴重なことです。 キャンパスの外に出て、色々な視点で「山形」という地域を見つめてほしい。 そして、学生の皆さん1人1人が山形の良さを拡散していってほしい! 今はSNSがあるじゃないですか。拡散力が強いですよね。 このようなツールを積極的に利用してほしい。こういうの、若者は得意だと思うので! ●土井教授 世界を目指してほしい。 それから地方だからといって、中央にコンプレックスを持つことはない!地方には地方の良さがあるのです。世界から見たら東京も山形も同じです(笑)世界を標準に勝負していける人になってほしい。 ●小山学長 とにかく自分に自信持ってほしい!この一言に尽きる!山大生の強みは「誠実、真面目、忍耐強い」の要素だと私は考えています。本当に素晴らしい学生達だと思うので、自分に誇りを持ってほしい。堂々と山形の良さを広めていってほしい!!!!!!! お忙しい中取材に協力していただき、本当にありがとうございました。 著者自身、秋田県の農村部出身ということもあって、 今回の講演会は非常に勉強になるものでありました。 「地方創生」。日本の大きなテーマです。 新しい視点で「山形」を見つめなおし、積極的に行動していきましょう。 なお、次回の学長講演会は年末もしくは年始を予定しているそうです。 詳細が発表され次第、YUM!でもお知らせしますのでぜひお見逃しなく(*´`*)
小山清人学長
「ぜひ、ゼミや演習で地域づくりのケーススタディに取り組んでみてほしい。『学んだことをすぐに地域の現場で生かしていける』このことが地方大学で勉強している学生の強みだと思います。普段住んでいない若者が、新しい視点で地域創生について考えることがその地域の突破口になるのではないでしょうか。」
「どうしたら地域の活力を生み出せるかというと…第一には、雇用がないといけない。その雇用をどうやって作り出すかというと農山漁村の主たる産業である農林水産業を中心に!ということと、実はIT企業が農村に移転するなどの事例もあります。農山漁村の所得の確保の仕方は1次産業でもサービス業でもできる時代になってきました。だから様々な着眼点があると思います。『街・人・仕事』をスローガンに、人が街に定着することが大事。そして資源が豊富な地域に定住してもらう。これが地方創生の目指すところでもあります。」
「今は『点』でもいい。『点』があることによってその周りに雇用が創出されます。それを次にどう繋げていくのかを考えることが必要。専門家や国の課題でもあると思う。『点』が全国に広がることで『面』になることもできます。とにかく今頑張ることが大事。」
2023年5月11日