坊や~よい子だ、ねんねしなぁ~♪
・・・さて突然ですが、みなさんは山形の昔話に興味ないですか?
昔話といえば「桃太郎」や「かぐや姫」などが有名ですが、日本各地にはほかにも数えきれないほどの昔話が存在しています。
昔話はその地域の風土や特色を表すという面も持っており、したがって山形の昔話を知るということは山形そのものを深く知るということにつながります。
もしかしたら皆さんもすでに知っている懐かしい話もあるかもしれませんね。
そんなわけで「シリーズ山形昔話」、はじまりはじまり~〈パチパチパチ〉
「あこや姫」
むかしむかし、あるところに、あこや姫ということの上手な姫がおりました。
ある夜、姫が琴を弾いていると、笛の音とともに、一人の男が近づいてきて言いました。
「私は名取の左衛門太郎といいます。あなたの美しい事の音に惹かれてまいりました。」
それからというもの、夜になると、姫の琴に合わせて、男が笛を吹くようになったのです。
ところが、秋も深まったある晩、男は「実は、私は最上の国、千歳山頂の老松ですが、残念ながら、ここへ来るのも今夜までです。」
と言い残し、姿を消してしまいました。
その頃村では、名取川の大橋が洪水で流され、代わりの大木が見つからずに、村人は困り果てていました。
そしてとうとう、千歳の老松が切られることになったのです。
ところが、大勢の木こりが、どんなに頑張っても、木は、びくともしません。
そこで村人に頼まれて、姫が老松に会いに行くことになりました。
すると今まで動かなかった大木が、水に浮く船のように、揺れ始めたのです。
そして、老松は無事名取川の岸まで運ばれていったのでした。
それからの後、村の人々、老松の切られた跡に、若松を植え、万松寺を建てて菩提を弔ったそうです。
※山形南高校では、文化祭の一つのイベントとして「あこや姫コンテスト」
というものがあります。
詳しくはここでは書けませんが、南高校の文化祭を調べてみると
出てくると思います。
地元のこうした行事の裏に、実はこういう物語があったと思うと、
少し感慨深いものですよね。
2020年1月23日
2018年2月1日