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【YUM!レポ】第5回学長講演会「研究者の知識が地域産業を活性化する」~次世代産業育成からベンチャー企業までを実現するエコシステム~

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まだ誰も挑戦したことの無いビジネスを成功させる……。

そんな夢を誰もが一度は抱いた事があるのではないでしょうか?

7月11日に小白川キャンパスで行われた今回の第5回学長講演会。今回は大学院生時代に起業してそれを実現した、株式会社リバネス代表取締役・丸幸弘氏を講師にお迎えしました。なんと、2年前から丸氏に山形大学での講演をオファーしていて、ようやくそれが実現できたそうです。

 

がくちょう

今回のテーマは「研究者の知識が地域産業を活性化する」~次世代産業育成からベンチャー企業までを実現するエコシステム~です。

丸氏は東京大学大学院在学中の2002年に、理工系大学生・大学院生のみでリバネスを設立し、日本で初めて「最先端科学の出前実験教室」をビジネス化しました。

出前実験教室が学校に来た事ある、行った事ある!という方も、もしかしたらいるのではないでしょうか?

また、丸氏は現在200以上のプロジェクトを進行しており、多数のベンチャー企業(新技術や新事業を開発し、事業として設立した企業)の企業にも携わっています。例えば、ミドリムシの研究開発や大量培養などで有名な、株式会社ユーグレナの技術顧問を担当しました。研究段階から、ビジネスに繋がっていく可能性に、いち早く着目していたのです!

 

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研究者の新しい発見が地域産業に繋がっていく

現在あちこちで課題となっている、地方創生。

しかし、そのためには新しいビジネスを創出して、雇用を生み出し、産業を発展させる事が必要不可欠です。

丸氏は大学院生時代に、大学の中で素晴らしい最先端技術や研究が埋もれてしまっていたり、博士課程入学者に対して就職先があまり無いという現状をを目の当たりにしました。それを変えたいと思い、眠ったままになっていて活躍の場を失っている研究者の知を上手く活用し、それを地方、そして日本全体の復活に繋げていこうと考えたのです。

そのために、日本初の科学教育・科学人材育成を目的としたベンチャー企業「リバネス」を、丸氏に賛同する学生達と共に立ち上げました。

これは余談ですが、丸氏は企業を立ち上げる仲間に対して、自分の本気度をアピールするため、そして信頼を勝ち取るために、彼らを全員自分の実家に招待したそうです……!

 

なぜ「出前実験教室」?

リバネスは営利を第一の目的とせず、「研究者による先端科学実験教室」を新しいビジネスとして始めました。

まず、「理科と私達が暮らしている社会との繋がりが分からない小中高生」という課題に対して、リバネスは自分たちの強みを考えた結果、「最先端科学の魅力を知っている、実験して自分自身で試行錯誤ができる」という大学院生ならではの強みを導き出しました。

そしてその課題を解決するために、科学の魅力と試行錯誤の辛さを知る自分たちだからこそ、子供たちに対して最先端科学の魅力を伝えられると考えたのです!

リバネスの社員たちにも、まずは子供たちに自分の研究を理解してもらえるように説明するスキルが身に着くというメリットがあります。「自分の研究を小学生に伝える事ができれば、就職の際に面接官に説明するのは簡単だ」という丸氏の言葉が印象的でした。

「次世代育成(科学へのきっかけを与える)+即戦力育成(子供に自分の研究を分かりやすく伝えられる)」この二つによって、研究者と市民のとの間にあるギャップを「出前実験教室」によってリバネスが埋めていく事を目指しているのです。

 

科学で人と人を繋ぎ、そこから新たなコトを生み出す仕事

「出前実験教室」から始まったリバネスは、着実に規模を拡大していき、サイエンスブリッジコミュニケーターという新しい職業を生み出しました。サイエンス・テクノロジーを人々に伝えるという仕事です。

リバネスは教育・研究・創業という3つを応援するプロジェクトを立ち上げ、科学技術の知識革命を目指しています。

そして、子供たちの「理科離れ」、活躍の場の無い研究者の育成、起業家の育成という課題にこれからも取り組み続けていくそうです。

 

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講演終了後に行われた丸氏と学長との対談では、短い時間ながら多くの興味深いお話が聞けました。

まずはビジネスモデルという型にはまらない企業経営の在り方が語られ、ビジネスとは課題解決の積み重ねで成り立つと丸氏は述べました。

また、学長に「課題解決のためにすぐに行動に移す事ができる丸氏の原動力は何か?」と質問されると、丸氏は「人生は長い夏休みだと思っている。ただ、その暇を潰すために課題を解決しようとしている」と、時折ユーモアを交えつつ答えました。

 

その後行われた丸氏への質問時間では、学生はもちろん、社会人からも多くの質問が寄せられました。

中でも、「地方の学生のベンチャー企業立ち上げを促すための仕掛けは?」という質問に対し、「今あるベンチャー企業同士で話し合い、新しい事に挑戦して企業同士で合体や分裂を繰り返すうちに、純粋な細胞だけが残る。それがやがてしっかりとした組織になる。学生同士のネットワークが重要」と丸氏が答えていたのが印象的でした。学生時代に起業を行った丸氏の経験に基づく言葉は、説得力がありました。

 

今回のテーマであった「研究者の知識が地域産業を活性化する」~次世代産業育成からベンチャー企業までを実現するエコシステム~。

私は文系で、最先端科学技術などに関してはかなり疎いので、始まる前は今回の講演の内容を理解できるかどうかすごく心配していました。しかし、丸氏の語り口の面白さや、学生時代のエピソードを交えつつの講演に徐々に引き込まれ、とても実りあるお話を聴く事ができました!

学生時代から誰も挑戦した事のない分野に挑戦するという丸氏の姿勢を、少しでも見習っていきたいと感じました。

 

学長講演会は今後も行われる予定です!

学生にとってためになるお話を聴ける事間違いなしなので、皆さんも是非興味のある講演会には参加してみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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